狼クン達のオリの中③【完】

でも、


「…薫?
薫っ!
薫っ!!!」


何回呼んでも、薫は一向に起きる気配もなく。


「…ったく、あんた!
本当迷惑!!」


かといって、夏だとはいえ、こんな廊下にほっとくわけにもいかず、


「薫っ!!」


あたしはさっきよりも大きな声を出して、これでもか!というくらい激しく、薫の肩をユサユサ揺すった。


すると――…


「…ふにゃ…」


そんな可愛い声と共に、


「ふぁぁぁあ!
よく寝たぁ♪」


大きなあくびをしながら、大きく伸びをする薫。