「お姉ちゃん!! お姉ちゃん!! 大丈夫!?」 「……えっ!?」 「また涼兄の夢みたの? ものすごく、うなされてたよ」 「…………」 9月。 長かった夏休みも終わり、始業式の日。 ここ最近の毎日の日課のように、あたしを起こしにきていた薫が、気まずそうに顔をそむけた。