狼クン達のオリの中③【完】

ほんの一瞬
軽く軽く…
ほんの一瞬触れただけの唇だったけど、



涼の唇はいつもと同じで
温かくて
優しくて


あんなことを言われたのが信じられなかった。



「…涼…」



あたしがすがるような思いを込めて、涼を見つめる中。



「オレだって言いたいよ」



涼の、少し薄くて綺麗な唇がゆっくり動く。