だって、その証拠に。


「涼兄は、さ。
なんだかんだ言って、お育ちのいいお坊ちゃまなんだよ」


ぶぅぶぅと。


文句を言うフリをして――…


「親の言いなりになるとか、さ。
ボクだったら考えられないけど。
でも、まぁ…。
そこが涼兄のいいところだったりするからね」


薫は、パーカーのフードをかぶった。


「だから、ボクが守ってあげなくちゃ」