彼が最初に小説を書き始めたのは、死ぬ3ヶ月前のことでした。 彼は3ヶ月の間に、1030編の小説を書きました。1日に何編という書き方ではなく、思いつくままに書いていきました。彼はそのころ、ほとんど人と会うのを止めていて、食料の買い出しぐらいしか、外へ出ることもありませんでした。長時間人と会っていられる自信がなかったからです。 人と会うということは、その間彼が狂気を抑えていなければならないという事で、彼が溺れてしまいそうになっていた哀しみを、見ない振りしていなければならなかったので。