MONO


彼は、MONOということにこだわりました。
彼の心には、単純なものだけが入ることを許されていました。
音のない朝に降る雪や、バイオリンの音楽、鴨居玲の絵。
彼は複雑なものに遭遇すると、気が狂いそうになってしまうのです。
彼の部屋にはブラウン管の割られたテレビがありました。