彼は3度、恋をしました。 「愛している」と言えたことは一度もありません。 とても好きには違いなく、切なくて涙が出たり、体が冷たくなったり熱くなったりしましたが。 愛しているとはどういうことなのか、彼は考えていました。 考えているといつも答えは、同じ所へ行きつくのです。 ぼくは何かを愛している。何かを愛しているから、これが愛ではないとわかるのだ。