ふたりりさいたる−先生へ−



浅野は私の顔を見た

いつもの真剣な目で
ただ真っ直ぐに


「俺はもー後悔なんてしたくない。辛いしみじめだし。後悔する女はお母だけでじゅーぶんだ。」

「‥あさの?」


浅野は左手を私のほっぺにそえた


「逢ったときから冷たい目ぇしてるなって思った。」


ドクン


「何にそんな警戒してんだって。笑ったと思ったらすぐ笑顔は消えて」


ドクン


「授業中すごく切なそうに空をみて」


これは


「触ったらこわれそーだった」


なに?


「もうそんなお前見たくない‥」


これは


「いつの間にかほっとけなくなってた」


現実?


「神田‥」


‥これは


「‥すきだ」