ふたりりさいたる−先生へ−



30分くらい泣き続けた

涙はとまらないけど
大分おちついてきた


浅野にすがって泣いとる間
浅野は肩を抱いて
頭を優しくずっとなでてくれてた


なんでそんなやさしくすんの


落ち着いた私を体から少し離すと
うちの顔を見下ろすようにみてきた


「ふっ。神田顔すごいけど」

「そりゃ1時間以上なきっぱじゃこーなるから」

「意外と泣き虫さん?」


浅野はにこっと笑った


「そんなんじゃないから」

「神田はそーゆー性格だよな。」

「‥なんで泣いたか聞かんの?」

「聞かないよ。でも神田が喋ってくれるんなら聞く」


またその目
うちを真っすぐ見るその目

浅野の目は真剣だった
家の事情を淡々と話すうちを
ただうなずいて聞いてくれる


でもやっぱりうちは
人の目をみて話せない


すべて話し終わり浅野と
そっと目をあわせた