ふたりりさいたる−先生へ−



「神田か?」


伏せていた顔をゆっくり上げると

浅野が運転席から顔をだしていた


「あ‥浅野っ‥」



どうしよう

ひざはすってるし泣いてるし裸足だし


でも涙はとまらない


「どーしたんだよっ!お前大丈夫!?」

「だ‥いじょぶ‥」


泣きすぎて声にならない


車を歩道側に寄せて
運転席から浅野がでてきた


「全然大丈夫じゃねーやん。とりあえず車乗りなさい」

「まじ‥だい‥じょ‥」

「乗れ!!ケガして裸足で泣いとる奴ほっとける訳ねーだろ!!!」


浅野はそう言うとぐっと手をつかみ
私と後部座席にのりこんだ