「ところで随分昨日と俺に対する態度ちがうんだね」
階段を下りる途中
浅野が苦笑いしながら言った
「きのーはなんかイライラしとったかもね。あんたもタイミング悪い」
「おら、先生にむかってあんたはないやろ。」
浅野はもっていた出席簿で
うちの頭をぽすっと叩く
「あ、たいばつ〜」
今時の高校生はこわいねー
なんで訳のわからない
ふざけあいをして下駄箱までいった
「よーし!頑張って帰るかあ」
「はい、気をつけて」
靴を履きかえ外にでた
あ!浅野にばいばいするの忘れた!
と思い急いで下駄箱に戻ると
浅野が角をまがりそうなところだった
私は下駄箱からひょこっと
顔をだしたまま叫んだ
「ねえ!!ばいばーい!!!!」
浅野はびっくりした後、笑いながら
「さよなら」
とくしゃっと笑って角をまがった
バイト先にいっても浅野の笑顔が
頭から離れなかった
あんなに屈託なく笑う人がいるんだ
そればかり考えていた
