｢そ、そうかな？何にも変わってないよ！｣
動揺を隠すために、笑顔を作ってサッと後ろに下がり、蓮の言葉を否定した。
すると蓮は少しムッとした顔でずいっと迫ってきた。
｢夏は昔から、褒めても認めないよな。本音なんだから認めたら良いのに。｣
そう言って頭を小突かれた。
まるで、すべてを見透かされたような瞳で。
｢な、何バカなこと言ってんの。さ、早く行くよ！｣
｢……ん。｣
それから私たちはさっきまでの楽しい雰囲気とは一変し気まずい雰囲気のまま学校へ向かった。
｢…夏、一つも変わってないね。｣
｢へっ！？｣
いきなり蓮から私が今一番言って欲しかった言葉を言われた。
今までにないくらい間抜けな返答をしながら。
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