「麻理英ちゃん」


「千夏さん!」


「児島さん、お久しぶり」


「あぁ…何年ぶりでしょうか?」


「そうだよね(笑)あの時以来だもんね」


「あなた…千夏さんを知ってるの?」


「あぁ…身元保証人でお母さんの遺体を引き取ってくれたんだよ」


「千夏さんはお母さんを知っていたんですか?」


「私もね、麻理英ちゃんがうちの隣に越してくるまで、綾の初めの子供だなんて分からなかったんだよ」


「運命ってすごいですね(笑)」


「綾も良く、そんな事言ってたよ(笑)」


「綾が居なくなって、もう何年になるんだろう…」


「千夏さん!お母さんの話し教えて下さい。」


「いいよ(笑)でも最低3日はかかるかもよ(笑)」


暖かい春の風が


さわさわと桜の花びらを揺らす。


母のお墓にはいつもカスミ草が沢山あった。


穏やかな時間がゆっくりと動いてた。