「何それ?」
「えー?!知らないのー?!まあ言ってみれば『学校荒らし』だよ。」
『学校荒らし』……
私はその言葉を聞いた瞬間、体がピクッと動いた。
陸も目の色が変わっている。
陸に目を合わせると、察してくれたようで、私に頷いてくれた。
すると、陸は女子高生の方にスッと体を動かして、女子高生に話しかけた。
「なぁ、今の話、詳しく聞かせて?」
女子高生は陸の顔を見た瞬間、顔を真っ赤に染めた。
うーん、イケメン…。
罪な男ですなぁ。
「はっ、はい!その『ジョーカー』が昨日南高に出たらしくて…」
「どういう風に荒らされてたんだ?」
「教室や職員室がめちゃくちゃにされていたそうです。」
「されていた?」
「朝一番に来た先生が第一発見者だったそうです。」
ということは、犯行は夜か。
「その犯人が『ジョーカー』だという証拠は?」
「『ジョーカー』は荒らした学校のどこかにシールを貼るんです。」
シール?
「単に『JOKER』と英語で書かれただけのシールなんですけど。」
「なるほど。ありがとう。」
そう言って陸は立ち上がった。
私もそれを見て立ち上がる。
「あっ、あの!あなたたちは…」
どうやら疑問を抱かれたようだ。
って当たり前か。
制服着てる高校生がこんな尋問するなんておかしいもんね。
陸、なんて答えるんだろ?
「ひみつ。」
陸はそう言って、唇に人差し指を当てながらウインクをした。
キモー…。
でも、この女子高生たちはたちまちノックアウト!
すごい…。
って言ってる間に、もう出てるし!
早いよー!