「私なら、優斗を苦しませない。そんな風に思って。一人であんたを憎んで、馬鹿みたい」
「そんなことないです」
「えっ?」
「結局、優斗を殺したのは私ってことには変わりはないんです」
「あんた・・・ずっとそう思ってたの?」
由香里さんはビックリしたように私に聞く。
コクりと頷くと、由香里さんは私の頭を優しく撫でた。
「あんたのせいじゃないの。手紙にも書いてあったでしょ?自分を責めないでって」
そう言って由香里さんは私が置いていってしまった手紙を差し出す。
「中を勝手に見て悪かったけど・・・。優斗は、あなたに新しい恋をしてほしいはずよ」
由香里さんはじゃ。と言って帰っていった。
「あいつ・・・いいやつじゃない」
微かに微笑みながら言う佐奈に、私は聞く。
「私は、誰かを愛したほうがいいのかな?」
前に一度、私に弱みをみせた優斗。
その時優斗は、『ずっと俺を愛してて』と言った。
でも、手紙ではほかの人と恋して幸せになれと書いてくれてた。
私は、どっちの優斗を選べばいい?

