「へぇー、貴女が・・・」


そう言って由香里さんは近くにあった水の入ったコップを手に持った。


そして、席を立ったと思ったら、コップの水を私の頭上からかけてきた。



・・・・・・え?



私は、しばらくの間状況が理解出来なかった。



「沙希ちゃんだっけ?私、あんたが大っ嫌い」



不気味に笑う由香里さんに、恐怖を覚える。


寒さか恐さか、私の身体は震えていた。



「あんたが優斗を殺した。無理して、優斗があんたの願いなんか叶えなければ優斗は生きてたのに!!」



由香里さんはそう怒鳴り、涙を流す。


私の願い?


『彼氏に迎えに来てもらってみたい』


『手を繋いでデートをしたい』


優斗が叶えてくれた、あの願い?


「無理してあなたに会うから!!優斗の身体はすでにボロボロだった!それなのにすぐ手術を受けるなんて・・・っ」



私の願い、無理して叶えてくれたの?



「手術を受ける理由が、あなたと一緒にいるためなんて・・・!優斗をボロボロにしたあなたと!」



私も、一緒に居たかった。


ずっと、一緒に。



「私は優斗が好きだった・・・!それなのに、どうして・・・っ」



私は、好きだったんじゃない。


愛してるんだ。


今でも。