イチゴ飴。



私の大好きなもの。


疾風と私は仲良がいいから、お互いの好きなものや嫌いなものはもちろん、二人で出かけることも多い。



そんな私達を見て、周りは『付き合ってるの?』って聞いてくる。


だから、それを否定するのがすごい大変・・・・・・。



イチゴ飴を見つめながらそんなことを思っていると、隣から凄い視線を感じた。



ゆっくりとそっちに向くと


「何?佐奈」



気持ち悪い程のニヤけ顔の佐奈がいた。



「疾風ってわかりやすいよね〜」


「・・・何が?」



そう聞くと、え!?マジでわかんないの!?と佐奈が叫んだ。


周りの視線が痛い・・・・・・。


わかんないんだもん、しょうがないじゃん。



「うわ〜。鈍感なのは知ってたけど、ここまでとはね・・・。沙希、好きな人出来たことある?」



好きな人・・・・・・?



出来たことあるかなー、なんて考えると、昨夜あった優斗の顔が思い浮かんだ。



違う違う違う!!


優斗は好きな人じゃない!


思い浮かんだ優斗を振り払うように頭をブンブン横に振る。