「わりーわりー!待たせた!」
「遅い!!」
放課後。
同じ時間帯に終わったはずなのに疾風は40分も遅れてきた。
まあ、佐奈が怒るのも無理はない。
正直言うと、私もイラついてたし。
「いやー。すっちゃんにつかまってさぁ」
「許さない」
言い訳する疾風に佐奈ではなく、私がピシャリと言い放つ。
私がそう言うと思ってなかったのか、疾風は唖然。
佐奈はニヤリと笑った。
「さ、沙希ちゃん?」
「アイス」
「え?」
「アイス奢ってくれたら許す」
「えぇ!?」
「アイス」
「・・・・・・」
「アイス」
「・・・わかりました」
勝った!
私はご機嫌になり教室を出る。
後ろには佐奈が疾風に『私のも買うのよ!』なんて命令しながらついてくる。
私はアイスを買ってもらう喜びからか、朝の美少女のことなんて覚えていなかった。

