「沙希!お待たせ!」 「・・・ううん、大丈夫」 疾風が走って来た時、一瞬優斗が来たのかと思った。 兄弟だからかな? 「優斗のことって、何?」 「ああ、これ」 疾風は息を切らしながら、手に持っていた手紙を私に渡す。 私はそれを無言で受け取った。 「読んでみて」 疾風に顎で合図された。 封筒の裏には『優斗』と書かれていて、これは優斗からの手紙なんだとわかる。 私は封筒を開けて手紙を読み始めた。