「もう、身体に限界が来てるってわかってるんです。でも、死ぬ以上に沙希のほうが大切なんだ」
「そうか・・・。でも、優斗くん。君にドナーが見つかったんだ」
「え・・・?」
俺に、ドナーが?
心臓を、提供してくれる人が見つかった・・・・・・?
「手術を受けるかは君次第だ」
手術をすれば、健康になれる?
健康になれれば、沙希を守れる?
沙希と、一生一緒にいられる・・・・・・?
それなら俺は
「手術、受けます」
喜んで死の境に挑む。
大好きな、沙希といるために。
「そうか、わかった。親御さんと話そう」
「はい」
その後、父親が来た。
俺の両俺は離婚したため、俺は父さんに育てられた。
弟は、母さんに。
それでも母さんと弟は週1でお見舞いに来てくれている。
父さんは先生から説明を聞き、優斗が決めたなら。そう言って手術を承諾した。
「では、手術は3日後。心の準備をしといて下さい」
先生はそう言って部屋を出て行った。
部屋には自然と俺と父さんだけになる。

