あたしはこの春から高校1年生になった。 吉田 詠歌。15歳。 詠む歌と書いて"エイカ"。 この高校を受けたのは、家から1番近いとか言うありきたりな理由。 何事も程良く適当に。 普通なのが1番いいし、楽。 そう思っていたのに、ある彼のせいであたしの想いは激変した。 好き。 誰かを好きになること。 ――あたしはもう2度とありえないと思っていた。