「桜木は人気あるんだから、主役なって当然だろ?」 「…なにそのでたらめ…」 「じゃーな! 浴衣絶対忘れるなよ?」 「忘れてやるもん…」 「じゃあ、桜木のために、うさぎの着ぐるみでも演劇部に借りておくから」 「…嘘ですっ!! ちゃんと浴衣持参します!!」 焦って言うと、九条君はとんでもないことを、さらっと言い残して行った。 “俺、桜木の浴衣姿見るの楽しみにしてるから…” …ひどい。 そんなこと言われたら… 浴衣着るしかないじゃん… 私、絶対浴衣似合わないよー… ,