王子様の秘密-下-



****


「あーあ、やっぱりそうなるか」

「うんって…恭平君!?」

「どもっ
久しぶりでーす」



貼り紙を見ていると、隣に笑顔の恭平君がいた。


急でびっくりした…


私が見ていたのは、生徒会長の選挙結果の貼り紙。

見事に当選したのは、もちろん、成弥。


挨拶など成弥をよく目にするようになったし…

その反面、成弥が遠くなった気がした。


学校で見かける成弥は、得意の“椿谷君スマイル”でいた。




テストに選挙…

忙しくあっという間に終わって、まもなく新たな行事がある。



そんな中で、イジメはおさまってきた。

私が成弥と接点がなくなったのをようやく理解してくれたらしい。


かわり…

最近は私でなく、神崎さんの話題が聞こえるようになった。


…実は、神崎さんを心配している。


もし、私にあったようなことが神崎さんに起こったら…

神崎さんは嫌な思いをする。


もう二度とあんなことが起こらないで、平和になってくれればいい。



「陽菜はお人よしなんだよ。
神崎だって、陽菜をイジメてたのに…」

「でも…」



神崎さんを心配する私を、栞は怒っていた。



,