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「あーあ、やっぱりそうなるか」
「うんって…恭平君!?」
「どもっ
久しぶりでーす」
貼り紙を見ていると、隣に笑顔の恭平君がいた。
急でびっくりした…
私が見ていたのは、生徒会長の選挙結果の貼り紙。
見事に当選したのは、もちろん、成弥。
挨拶など成弥をよく目にするようになったし…
その反面、成弥が遠くなった気がした。
学校で見かける成弥は、得意の“椿谷君スマイル”でいた。
テストに選挙…
忙しくあっという間に終わって、まもなく新たな行事がある。
そんな中で、イジメはおさまってきた。
私が成弥と接点がなくなったのをようやく理解してくれたらしい。
かわり…
最近は私でなく、神崎さんの話題が聞こえるようになった。
…実は、神崎さんを心配している。
もし、私にあったようなことが神崎さんに起こったら…
神崎さんは嫌な思いをする。
もう二度とあんなことが起こらないで、平和になってくれればいい。
「陽菜はお人よしなんだよ。
神崎だって、陽菜をイジメてたのに…」
「でも…」
神崎さんを心配する私を、栞は怒っていた。
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