「桜木がこんなことされる意味分からない…」 「私のどこかに、気にくわないことがあっただんだよ。 だから、そのうち終わるって…」 「悪化してるようにしか見えないけど… もう何日続いてんだよ」 口が裂けても、成弥のことは言わない。 …言えない。 迷惑かけたくないし、こんなことで成弥に振り向かれたら… 自分が惨めになっちゃうから。 「とりあえず、クラス戻るぞ」 「うん…」 自然と、九条君に手をとられ、私はその手を握った。 温かくて… 優しい手だった。 私はこの手に、安心感を抱いた。 ,