[陽菜ver,]
「陽菜、どうしたの?」
「……………」
あまりの衝撃に、言葉をなくした…
「ちょっと、陽菜?
お弁当落とし……」
お弁当箱を拾おうとした栞が、私の視線の先に気付いてしまったらしい…
光景を見ただけで、締め付けられるように胸が苦しくなった…
縛り付けられたように、目は離せなかったし…
動くこともできなかった。
そう、まるで…
スローモーションのように、一瞬が長く感じた。
いや、本当は長かったのかもしれない。
とにかく…
視界以外の全ての感覚がなくなったような…
そんな感じだった。
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