王子様の秘密-下-


[陽菜ver,]




「陽菜、どうしたの?」

「……………」



あまりの衝撃に、言葉をなくした…



「ちょっと、陽菜?
お弁当落とし……」



お弁当箱を拾おうとした栞が、私の視線の先に気付いてしまったらしい…



光景を見ただけで、締め付けられるように胸が苦しくなった…

縛り付けられたように、目は離せなかったし…

動くこともできなかった。



そう、まるで…

スローモーションのように、一瞬が長く感じた。



いや、本当は長かったのかもしれない。



とにかく…


視界以外の全ての感覚がなくなったような…


そんな感じだった。



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