「陽菜、ごめんっ
先に行ってて」
「…うん」
気が向かないなぁ…
なんだろ、この胸騒ぎ…
嫌な予感がする…
私は一人で、自習室に向かった。
「あんた、あれ本当なの?」
「成弥の彼女だって、噂まじ?」
…………っ!?
“成弥”の名前に反応して、足が止まってしまった。
この先は曲がり角だ。
ここを通らなければ、自習室には行けない。
でも…
怒っている女の子らしき声が聞こえてきて、先に行けない…
私は近くの壁に身をひそめた。
盗み聞きする気はなかった。
ただ、話が終わるを待っていたつもりだったんだ…
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