王子様の秘密-下-




「陽菜、ごめんっ
先に行ってて」

「…うん」



気が向かないなぁ…

なんだろ、この胸騒ぎ…

嫌な予感がする…


私は一人で、自習室に向かった。










「あんた、あれ本当なの?」

「成弥の彼女だって、噂まじ?」



…………っ!?


“成弥”の名前に反応して、足が止まってしまった。

この先は曲がり角だ。

ここを通らなければ、自習室には行けない。


でも…

怒っている女の子らしき声が聞こえてきて、先に行けない…



私は近くの壁に身をひそめた。


盗み聞きする気はなかった。

ただ、話が終わるを待っていたつもりだったんだ…




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