目尻のシワが増えた。
口元が弛んでいる。
いくら顔に化粧をしたって、手のシワが気になる。
手の老いは隠せない……。

ほんとに……

どうして年をとるたび醜くなってしまうのかしら?

「………何してんだよ」

「きゃあ!!!!!!!!」

知らないうちに息子が居た。
わけのわからない髪の毛の色をしたお友達を連れて。

「あ…あぁ、ビックリした…。
おかえり。お友達?」

「こんにちはーおじゃまします!!」

わけのわからない髪の毛色をしていても、しっかり挨拶出来る子はやっぱり偉いと思ってしまう。

「こんにちは、ゆっくりしていってね。

ねぇ貴志〜お母さんシワが増えたと思わない?
ほんと年はとりたくないわ〜」

溜息混じりに私が言うと…

「そんなことないっすよ!

貴志の母ちゃん美人だな!
俺の母ちゃんなんてこんな綺麗な服滅多に着ねぇしよ〜」

貴志のお友達が美人だと言ってくれた。
お世辞でも嬉しいわ。
女に産まれてきたからには、いくつになっても嬉しいものね。