私はコーヒーを口に含んだ。
ちなみに甘いものが苦手な私はブラックでしかコーヒーを飲まない。

苦い味が口に広がる。

「興味持ってくれた?

駅前に出来た新しいエステのお店よ。
VIP会員からの紹介があったら特別エステが受けれるのよ〜!

私、VIP会員だから御子柴さんに紹介状書いてあげましょうか?」

エステか……。

正直私はエステにあまり興味がない。
私は美しくなるために人の手を借りたくないから。

美顔ローラーなんてしてみたけど…
やっぱりプロに頼んだ方がいいかしら?

「…そうねぇ……。」

踏ん切りが着かず私は曖昧な返事をした。

「じゃあ…一応ね、紹介状書いとくから
気が向いたら行ってみて?」

「ほんとに?
んー…じゃあお願いしとくわ…」

バートリィの話はこれで終わり、そのあとは息子がどうの、娘がどうの愚痴をたれていた。

15時に横山さんは帰っていった。

横山さんを玄関まで見送り、ふと玄関にある鏡を覗き込んだ。

そういえば…
最近横山さんはシワも少なくなったし綺麗になったわ…。

「このまま…おばあちゃんになってしまうのかしら?」

鏡に手を当て溜息をつく。