「で?」
『ゆるしてくださ…!』決死の懇願で、『しょうがないなあ、』難はあったがなんとか、霧島くんの両耳ぎちぎち攻撃から逃れることができたわけです、が。
「尼崎サンはひとの話を聞いていたの?」
依然として、一向に霧島くんはお怒りのようだ。
あれか。
自分が少しばかり見てくれがいいからって、誰も彼もが自分の話を聞くとばかり思っているのか。
誰もが自分の相手をして当然、いやむしろこっちが相手させてあげてんだけど? って感じか。
「返事は?」
「───」
だけどこんなに威圧たっぷり話しかけてこなくたっていいじゃない。

