あ、やあ、まあ、うん。
もともと窓際の列から いちに って霧島くんと陣取ってたからね(仲良しの女の子同士みたいに机はくっつけたりしないのです)、だから当然といえば当然なんだけど。
ぐいって二の腕思いっきり引っ張られて(無言なのがまた怖い)、いきなりのことに足元がふらつくのをいいことに、ぐいぐいと押され、気づけばゴンって鈍い音と、背中に固い感覚。
しかも。
私は鈍くさいから、後頭部まで窓ガラスに強打するっていうね。
いくら私が脳みそ軽くても、いくら私が石の頭でも、さすがに思いっきりぶつければ痛みだって感じるし、驚きだってする。
さっき以上に廊下が遠くなったのを、ドアという唯一(あれ、前と後ろに1つずつあるから唯二?)の逃げ場が離れてったという絶望感。
近づく霧島くんの肩越しにそれを映したときには思わず泣きたくなった。
『助けてママー!』って、叫びたくなった。
思ってもやらなかった私の勇気に乾杯──っていいうオチではなくて、できなかったのはそう、「どうしてっ…、」皆様ご察知のとおり、霧島くんの半端ない威圧感の賜物なんですよね。
うん。
霧島くんマジぱねぇっす。

