キミは絶対、俺のモノ。




「あ、あの…、」



なんてこったい。

先にぐうの音を上げたのはあろうことかこの私。

(ま、負けた…。)


ほら、私ってば日本人だから。

謙虚だから真面目だから。

空気ってやつも読んでしまうのですよ。


(残念ながら脳みそには皺もなければ、心臓に毛も生えていないのです。)


なに? と言わんばかりに向けられるは霧島くんの射るような視線。

押し寄せる恐怖感に、ごきゅり。

私の喉が悲鳴を上げた。



「えっと、」



言った直後、

やば。また先に折れてしまった。と、後悔したのはいうまでもない。


(顔の造形が素晴らしい奴は無駄に迫力があるんだよおおお!)


時すでに遅し。

久しぶりに食べたいなお寿司。


状況に見合わない言葉を並べて、ちょっとでもこの折れそうな心を勇気づけようとおちゃらけてみる。


がんばれ、私。

全私が…応援してる。



「黙秘権を─…」



主張します。

再度、そういうつもりだったのに。



「やだよ。」



霧島くん。

この男はどこまでもやってくれらぁ。