せめてもの抵抗をと(なめてくれるなよ一般ピーポーを!)
「え、どうかしたの?」
素知らぬふりをして答えてみれば。
「…へえ。君のその耳はお飾りなのかなあ? え ? 」
「い、たいいたいいたい!」
「お飾りってことは、思いっきり引っ張ったら取れるのかなあ。…えい。」
「みぎゃあああう!?」
「あはは、滑稽滑稽。」
「きりしまく…!」
「いっそのこと君の耳をダンボのように大きくしてあげようか。」
そうしたら俺の声も、いや俺の声しか聞こえないよね。
いいことを思いついたとばかりに笑んだ霧島くんに、容赦なく両耳をぎちぎちと引っ張られました。
耳を拡大とかそんな生やさしいものではない。
霧島くんは全力で私の耳をもごうといている。
耳が! 耳が! なくなる!
「そうしたら今よりも少しは可愛くなるんじゃない?」
冗談じゃない。
いやに楽しげに口角を持ち上げている目の前の霧島くんが怖すぎる。

