キミは絶対、俺のモノ。




私だって霧島くんに奴隷だなんだって言われて人権剥奪しかけられてるけどね、ちゃーんと、立派に人権もってるんですよ。


つまりはそう、私にだって"黙秘権"ってものがあるわけで。



「…黙秘権を主張します。」



緊張でぱさぱさと水気を失っていく口内で、ごくりと息を飲み、告げた。

このどきどき、わかってもらえるだろうか。


心臓がピーンてピアノ線みたいに張り詰めて。

頭のなか、全部が心臓になったみたいで。

自分が何をしているのか、わからなくなる。


くるしい、のは、いうまでもない。


右も左もわからない、絵本に出てくるような茨だらけの道を、前のめりで突き進んでる感じだ。


でも後ろから、クマとかワニとかライオンとか、"凶暴"とされる生き物に命を狙われているような切迫した感じがして。


すうっと、ふいに立ちくらみを起こしたように心臓が鼓動する。