まあ、霧島くんは十中八九、カカオ99%のビターチョコ、といったところだな。 他の女の子に対してはどうか知らないけど、少なくとも私には糖分なんて無に等しい。 (逆に私に甘々な霧島くんなんて考えられない。) 「もう一度だけ、言うよ?」 蕩けるような甘い甘い猫なで声は、私の恐怖心を煽るものでしかないのだ。 「ねえ、」 耳元で、吐息混じりに囁かれる。 (これだったら否が応でも聞こえるよね、って貴方まじ何様。)(…"俺様"、か。) 「──これは、"命令"だよ?」