言葉を失って、まるで酸欠の金魚のように口をパクパクさせる私に。
「君には、俺好みの奴隷になってもらわないと。」
霧島くんは、フッと、余裕の嘲笑をばひとつ。
「尼崎サンには、久しぶりに興味をもったんだ。そんな奴を、使えないからって理由で、俺がみすみす逃がしてやるとでも?
…それに、俺は君の秘密を知っていることだし。」
伏せられた目が、カッとこちらに牙をむく。
ライオンのように、鋭い牙をむく。
「君は秘密を知られたくない。僕は君に興味がある。──実に理にかなった素晴らしい関係だとは思わないかい?」
言葉にはしていないものの、それすなわち、イコール"逃げられると思うな"ということ。
…ああ、神様。
私はなんと厄介な鎖に繋がれてしまったのでしょう。

