「そんなんじゃあ、俺の奴隷も失格かな。」 ふう、と短い吐息と、物憂げに伏せられる瞼。 陶磁器のように滑らかな肌に影が落ちることで、顕になる長い睫毛。 じゃあ解放されるの…? ふと差し込んだ希望の光に、私はうっすらと閉じていた目を開いた。 パチリ。 示し合わせたかのように、霧島くんと視線が絡む。 ニヤリ。 霧島くんがあくどい笑みを浮かべるものだから。 ヒクリ。 私の表情筋は情けなくも引きつる羽目になる。 「解放? 馬鹿じゃあるまい、この俺がそんなのするわけない。」