躊躇いながらも、 「あっちです……」 方向に指を差した。 強引に引っ張られながらも、昔の記憶が引き摺り出る。 大きくてゴツゴツした手が、私の手をいとも簡単に包みこんで、 『ちさと……』 名前を呼ばれるのがかうれしくて、初めて私の体に触れてくれたこと、この上なく幸せだった。 「お兄ちゃん……」 「ちさとちゃん……?」