ダブルハーツ



私は不機嫌な足音を響かせ、スリッパで階段を登っていく。
真っ直ぐ自分のネームプレートが下がっているドアのノブを握ると、乱暴に開けた。

辞書やら参考書やらでいっぱいの机に、革張りのスクールバッグを叩き付ける。バンッと張り裂け音が部屋に響いた。
急ぎ制服を脱ぎ、私服に着替えると、椅子を引いて机に向かった。