明葉 side 「仲根さん、やっと終わったね」 「まあね」 昇降口で下駄箱からローファーを取り出し地面に落とした。 「一緒に帰らない?私、今日バイトないの」 上村ちさとは私の横でローファーを落として履き替えながら私を誘う。 「ごめんなさい。今日はまっすぐ帰るわ。先約がいるの」 「あぁ、その人って例のあの人?」 「変な言い方しないで……」 返す語尾がはっきり発音できないほど、目の前の現実に信じられなかった。