ダブルハーツ



「あっ、お帰りなさい。明葉ちゃん――」


玄関のドアに夕焼け色の頭が近い男を一瞥し、私は肩を越す。


「こら、明葉!アサトくんに行ってらっしゃいくらい言いなさいっ!」

「かまわないですよっ!おばさん」