アサトの肩に手をおきながら、声を喜ばしそうにあげる夏太郎兄さん。 「逆よ。手なづけたのは私のほう!」 「はいはい」 お母さんが私の前に朝食である目玉焼きを置く。 「言い争ってないで、夏太郎もアサトくんも早くしないといけないんでしょ?明葉もノンビリしてると、夏期講習遅れるわよ」 「そうだった!」 夏太郎兄さんは皿に残っていたもの全てを口に含んで、コーヒーで無理に流し込んだ。 それから慌ただしく、背広を羽織って玄関へ向かっていった。