全て食べ終わった私は、箸を置いてアサトの話に姿勢正しく耳を傾けた。 「でも出来なかった。駅のホームまでは行ったけど、不審に思った駅員に呼びとめられてさ……あっけなく親のところへ戻された。先生は実家に帰ったよ。でも何もわからない俺だから、父さんに家の恥だと言われて、ちょうど父さんと知り合いだった、君のお父さんを頼りに高校進学とともにお邪魔をさせてもらった――ってわけだ」 「そんなことがあったなんて……」 「まぁ、昔の話だよ。地元じゃ今は伝説みたいに語り継がれてるだろうけど」