すると、つぶらなアサトの目が見開く。 頭を掻いた。 「弱ったなぁ……もうすでに聞いているとばかり思ってたのに」 それから何度か頷きを見せると、開き直ったように、 「分かった。話すよ実は俺……教師と駆け落ちしたことがあるんだ」 「……へ?」 一瞬何を言われたのか、解らなかった。 「正式には未遂で終わった。相手は国語科の教師でね、流れるような音読が好きだったんだ」 思い起こしているらしく、まぶしい電気に目を細めながら天井を見上げる。