「やべ、前言撤回」
「は?」
「襲わねーつったけど、無理っぽい。 亜美のせいだかんな…」
「え、ちょ!……んっ」
撤回すんなよ!!
ただでさえ身動きがとれない状態で、逃げられるはずがない。
迫ってきた奴からのキスが降ってきた。
「……っ…! はな……せ…っ」
「まだ無理」
「……んんっ」
できる限りの力で抵抗するが、無意味に終わる。
奴は一向にキスを止めようとしない。
そればかりか激しくなるばかり。
そしてあたしは酸素が足りなくなってきた。
「ちょ………くる、し……っ」
奴がソファーの背もたれにかけていた腕を ぺしぺしと叩いた。
「…っは」
「あ………わりぃ…」
「はぁ…はぁ……最悪」
唇をやっと離してくれた。
襲わないって言っといて、こんなにキスしてくるなんて…。
「…なぁ、やっぱさぁ…」
胸に片手を当てて息を調えるあたしに、奴はまだ何か言うのか。
コイツの言おうとすることは、いつも読めない。
今度は何を……
「亜美、俺のこと好きだろ?」
「………はぁ?」

