納得はいった。
ああいう奴らは、見た目は悪くても 人の痛みが分かる奴が多かったりするから。
辛い過去を持っていたり、居場所が無かったり…。
そういう奴らが不良になってくってことも少なくねえんだ。
大きくなって、それにやっと気付いた。
「それでも…やっぱり亜美は変わってないの。
口は悪くなったし、煙草も吸ってる。だけど、人を思いやれる子なの」
「…そっか。だろうと思った…」
うっすらと涙を浮かべるおばさんは、にこっと笑って
「紀理くん、めげないで よろしくしてやって!」
ぽん、と俺の肩を叩いた。
「……当然。見てて、おばさん」
「ええ。ほんとに、紀理くんじゃないみたいね」
亜美を守れる男になるって
決めたから。
これくらい、な。

