ついた場所は……
緑川公園っ
この辺で1番広い公園だ
遊具の広場もあれば
野球ができる広場もある
その広場から上れる階段を
上れば森があり
そこから公園全体が
見渡すことができる
その森のなかにある
太い木のベンチに
座っていつも二人は
楽器を吹いていた
杏南『杏たちいまから
楽器吹くけど
聞きたい???』
裕『えっいいのっ???』
美紀「せっかくだから
聞いてきなさいよ」
拓「それじゃあ聞いてくよ」
杏南『それじゃあ
ちょっと音出しするねっ』
杏南は音出しがわりに
ビゼーのメヌエットの中の
アルルの女を吹いた
裕『…川瀬やばいな』
杏南『んっなんていった???』
裕『いやっなんでもない』
拓「美紀もなんか吹いてよ」
美紀「いいわよっ」
美紀はカルメンの
間奏曲を吹いた
拓「美紀やばいよっ」
杏南『美紀は本当に
上手だよねえ
また上手になったねえっ』
美紀「それ言うなら杏南も
だいぶ上手になったよ」
杏南『そんなことないよ…
杏はまだまだっ』
裕『でもこの調子なら
二人とも受かるよっ』
拓「うんっぜったい受かるっ」
*
