「心和!!」
俺は勢いよくドアを蹴り開けた。
俺の心和の上に、野獣化した
男がまたがっていた。
俺は、自分の中で血の気が引いて
行くのを感じていた。
そして、怒りが頂点まで達して
俺は男を蹴り飛ばしていた。
気を失ってる心和を助けるより
も俺は男をボコボコにしていた。
「彼方君、やめるんだ!!」
俺を止めたのは親父さんだった。
俺ひとりで探すよりって思って
職員室をのぞいたら親父さん
がいた。
親父とふたりで駆けつけた
親父さんが、俺を止めたんだ。
本当なら、親父さんもボコボコ
にしたいはずなのに。
俺は、両腕を抑えられて、冷静
さをとりもどした。
親父さんの腕が弱まるのを確認
して、最後に思いっ切り男を蹴
りあげた。
そいつの顔には心当たりがあった
から。
こいつの狙いは、俺だと直感した
から、余計に許せなかったんだ。



