俺は、窓辺に足を向けた。 その時だった。 男が、心和に絡みだしたのは。 俺は、慌てて廊下に飛び出した。 「結城君。」 後ろの方でカンナが呼ぶ声が 聞こえた。 渡り廊下から校門を見ると 心和がむりやり引きずられて いる。 俺は、焦る気持ちで全力で 走った。 いつもなら、先に帰っている はずの心和。 なんで、待っていたんだ。 この角を曲がってしまったら 校門が死角で見えなくなる。 俺は、必死で走った。 校門にたどり着いた時 心和の姿はどこにもなかった んだ。