いつもなら、俺が留守でも
勝手に部屋に上がり込んでる
心和が、なぜか部屋の前で
立ちつくしてる。
おいおい、今さらだろう。
なんて、呆れてしまうけど。
正直言うと俺も緊張してたり
する。
だって、今日からはここで
幼なじみとしてではなく、
暮らしていくんだから。
やっぱり、今までと違うこの
環境に緊張もするよな。
俺が、緊張してるんだもんな。
心和だって、色々不安だよな。
「どうした。心和。おいで。」
俺は心和に手を差し出した。
そして、握りしめたその手を
引き寄せる。
心和は、ゆっくりと確かに俺の
胸の中へと飛び込んできた。
俺は、心和をきつく強く抱きしめた。



