ドアの前で足が止まる。 部屋を見渡して、深く深呼吸。 なんか、一歩足を踏み入れたら もう引き返せないような気が したんだ。 今まで大切に大切にしてきた 彼方との関係。 幼なじみ。 近くて、遠いその関係に。 「どうした心和。おいで。」 今さら、部屋の前で立ち尽く してるわたしに手を差し伸べて くれる。 恥ずかしくて。 うれしくて。 でも不安で。 複雑な感情を抱えたまま 彼方の手を握りしめた。